こんにちは。
今回は Softears の新作有線イヤホン「Volume S」の紹介/レビューです。
待望の Volume 後継機として私もかなり期待しています。2つのサウンドが詰め込まれた、新しいアプローチによる音色変更も必見です。
是非最後までご覧ください。
AliExpress様よりPR依頼となります
製品概要
発売日 : 2024年12月29日
価格 : 53910円
待望の Volume 後継機となる、Softears 新作の有線イヤホンです。
2つの独立したクロスオーバーシステムによるインピーダンス変更が大きな特徴の一つです。
製品スペック
ドライバー構成 : 1DD+1パッシブDD+2BA (10mmDD+6mm passive DD)
アクティブとパッシブのDDを組み合わせています。
Volumeと比較して、パッシブラジエータが増えているものの、基本的なアクティブドライバー構成は変わらずに1DD+2BAです。
パッシブDD(6mm)の素材が非常に興味深く、ウールベースの素材を使用して、アクティブDDにドーム状に被せている様です。
この設計により、低域以外の周波数の不要なノイズが吸収され、伝域が純粋でパワフルに。
アクティブDDのドームはチタン製で、大型スピーカーと同じくサスペンションはシリコンです。可動振幅が大きく、歪みが小さくなっています。
BA部は、自社開発のフルレンジ・ドライバーを採用しました。
フルレンジ・ドライバーをシングルまたは複数使うことで、全体としてのバランスを理想的に調整できます。赤と青の染料を混ぜあわせて美しい紫を作る様なものと。
また、RS10で使用された RC チューニング・ネットワークフラッグシップ・クロスオーバー回路が搭載。ドライバーの数が少なくてもハイエンドの性能を発揮します。
そしてこのイヤホン最大の特徴である、2つの独立したクロスオーバーシステムによる、インピーダンス変更について。
特定の周波数を変更するのではなく、システム全体の応答を調和的に変更する、革新的なアプローチでシームレスな切り替えができます。
低インピーダンス : ポップモード
高インピーダンス : クラシックモード
が想定されています。じっくりと聴き比べていきます。
パッケージ / 本体
モノクロの美しい、 音楽記号が描かれたアートな調和のデザインです。
カバーを取ると化粧箱です。
この飾らないシンプルさを感じるブランドイメージが個人的にかなり好きなポイント。
余談ですが、個人的に「Softears」のロゴもかなり好みです。
箱を開けると本体がお目見えします。今回は全体的に白と黒を基調としたデザインですね。Volume Sのフォントまで凝っていて美しいです。
本体 / ビルド解説
ドライバー構成だけでは無く、本体の構造に拘りが詰まっているので詳しく紹介します。
まずは本体デザイン。
3Dプリントシェルに、アルミ合金フレームとカーボンファイバーの芸術的なFPが素晴らしいデザインです。特にアルミ合金フレーム部分は、質感が高くて高級感を演出しています。
カーボンファイバーFP中央には、インピーダンス変更スイッチが見えます。
専用のツールを使用して、ポップ モード/クラシックモードの2つのサウンドを切り替えられます。
こちらのスイッチ自体も拘られており、耐久性が高く長寿命で、優れたパフォーマンスを添えた、日本製コパルスイッチを使用してる様です。
コネクタ周りの作りも、とても丁寧に仕上がっていると感じます。
センスの良さを感じるロゴ上のベントですが、ストリップ圧力リリーフ技術によって、自然で力強い低音と快適な装着感を生み出しています。
空気圧を逃がす構造に加えて、フロント・チェンバー用の特許取得済ハイパス・フィルタを備えています。これによって密閉された空間内でダイナミック・ドライバーが動作する際に起きる耳道内の圧力が消えるとともに、ナチュラルでたっぷりとした低域が両立して再生されるとともに、装着感も良くなります。
Volume SではBAドライバー部分が、Volumeの合成された音道管では無く、それぞれ独立した音導管に変化しました。
これによって、Volume Sの高域はよりクリアに、中域はより滑らかに変化しているとの事。
加えてアクティブとパッシブのダイナミック・ドライバーを組合せ、低域はよりキレが良くパワフルになっています。
付属品
付属品に関しても素晴らしいクオリティです。
質の高いオリジナルデザインで固められた付属品は、普段通りの流石「Softears」と言ったところ。
・シリコン+U.C.イヤーピース
・メッシュポーチ
・オリジナルケース
・シリアルナンバー証明書
・ユーザーマニュアル
・工具 x2
・クリーニングクロス
品質が非常に高く、 ケーブルは勿論ほぼ全ての付属品にロゴが刻まれていますからね。クリーニングクロスや専用ツールまで。
そして定番の金属のシリアルNo.入りカードはやはりテンションが上がります。
ケーブルは、3.5mm/4.4mm 交換可能なケーブルが標準で付属します。60 本の純銅線で作られた布巻きケーブルです。
使用感に関しては、柔らかく取り回しは悪くないです。布地なのでやや癖はつきやすく、タッチノイズもやや気になりました。
カスタム 10µm 超高密度金メッキプラグ
コネクタは 2Pin 0.78mmを採用しています。
これ凄いのがケーブルにモデル名まで記載されています。コスト削減を全くする事なく、徹底的に音質を追求してるのが本当に素晴らしいです。
オリジナルケース
メッシュポーチ
Softears イヤーピース
アートのような開封体験や、質の高い豊富な付属品に関しては、僕的にはNo.1だと思います。
装着感
耳型の蓄積と、3Dプリンティング専門企業によって出来たら筐体という事で、フィット感はとても良いです。
ただ、ステム(ノズル)が長く全体的にはやや大きめの筐体なので、万人に合う作りではない印象です。
本体重量は約12gと、樹脂筐体にしては重めですが、全く問題はありませんでした。
再生環境
DAP : Astell&Kern KANN MAX ローゲイン/ミドルゲイン
イヤーピース : 付属 U.C.イヤーピース
ケーブル : 付属ケーブル バランス接続
インピーダンス変更スイッチ
ここが「Volume S」の大きな特徴の一つです。
正面から見て、左に回すと「ポップモード(Low)」右に回すと「クラシックモード(high)」
なお、スイッチは一方方向にしか回せません。
音質に関しては次で詳しく説明します。
音質について
Softearsのキャッチコピーである「Hear the Truth」をまさに表すような、脚色のないクリーンな迫力を味わうことができるサウンドです。
非常にバランスが良く、原音に忠実で色付けのなさが特徴的。やや余韻は抑えめで、機敏なサウンドです。
インピーダンス変更によって、全体的な印象がガラリと変わるのも興味深いポイント。
低インピーダンスモードでは、低域がパワフルに響きが自然に強調されて聞こえます。
高インピーダンスモードでは、ややフラット〜中高音寄りに変化し、中高域は優しい空気感が加わります。全体的にはやや明るめに聞こえます。
低インピーダンスに比べて、あっさりとした低域で深さもかなり抑えられる分、透明感のある優しい中高域が綺麗なサウンドです。
空気感のある音場の広さは、高インピーダンスの方が感じられると思います。
個人的には低インピーダンスモードが、より好みな音でしたが、どちらのモード共に良さがあり、楽曲の特徴によって使い分けできると思います。
低インピーダンスの好みな点としては、高インピーダンスよりも音に自然な厚みがあり、トーンもより自然に聞こえます。
低域には重厚感とやや温かみがあり、中高域はモニター気質かと思いきや、カリカリする事はなく、鮮やかで豊かさも兼ね備え、迫力や楽しさを最大限引き出していると感じます。音楽を立体的に迫力を楽しむならこちらが適しています。
低音
特にベースは1DD+パッシブラジエータの深い低音が、響くようにタイトに力強く聞こえます。
質感はやや乾いた弾力ある低域です。パワフルに定位良くハッキリと聞こえてきます。 音には自然な厚みと響きに重厚感があり聞こえ方も自然です。 空間を響かせる様に弾む低域を味わうことができます。
そして、このパワフルな低域は全く中域に干渉することなく、自然なバランスに聞こえます。 ベントから上手く量感のみを逃して調節している様な感覚です。このバランスは素晴らしいです。
中音
中音域はとてもクリアで澄んだ、明瞭感のある音です。パンチもあり音のレスポンスも良いです。
高い男性ボーカルはやや凹んで遠く聞こえる印象がある為、女性ボーカルの方がおすすめできます。
高音
高音域は、純水の様に自然で透明感のある表現です。高くなるにつれて線が細くなっていく感覚もありますが、シャープさは全く無くてとても上質な高音です。躍動感のある表現も繊細な表現も、描写力も高く忠実なサウンドです。
ボーカル
澄み渡った黒い背景の中で、一本の筋が通っていく様な伸びやかな歌声は、静寂のスッと声の消える空間で美声を聴いている感覚です。
やや余韻は少なめで、 厚み、広がり、質感のリアリティが素晴らしいです。
特に女性ボーカルでは、聴きたい声色をジャストで効かせてくれる感覚が堪らないです。
音数の多い曲でも同様に、パワフルで空間を飛び交う音の中から筋の通った「心に響く声」を感じることができます。
明るく空気感を含んだ優しいボーカルを楽しむなら高インピーダンス、厚みのある低域と共に素の声を聴くなら低インピーダンスと言った印象です。
音の傾向
寒色 |ーーーlーーー| 暖色
低域 |ーーーlーーー| 高域
繊細 |ーーーーlーー| 迫力
ドライ |ーーlーーーー| ウェット
音色 |ーーーーーーーー⭐︎l [10]
解像度 |ーーーーーー⭐︎| [9.3]
定位 |ーーーーー|ー| [9]
分離 |ーーーーーー⭐︎| [9.5]
詳細 情報量 |ーーーーーー⭐︎| [9.5]
個人的総合評価 9.6
オススメ度 ⭐️⭐️⭐️⭐️🌟 5/5
↓IEM Ranking List
https://docs.google.com/spreadsheets/d/1-6VnN5zpYfJpT9NQsLNIpYeUL5ksr-KHHdguDRTiEm4/edit
まとめ
今回は Softears Volume Sの紹介を行いました。
ミドル帯の中でも特にバランスの取れたサウンドと、インピーダンス切り替えによるまさに1台 2役の音色変化が印象的でした。
脚色の多いリスニングサウンドも良いですが、迫力を出しつつも全体域がクリアに、原音の音色から外れないバランス感覚は流石の Softearsに感じました。
気になった方は是非ご検討下さい
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