こんにちは。
今回はHiFiGo JP様より提供を頂き、 TANCHJIM注目の最新作『FISSION』の紹介/レビューになります。
FISSIONでは、4フィルター✕ 3ノズル= 12+N 通りのサウンドを自在に変更し『あなたの耳で選ぶ』を実現しています。

製品概要
TANCHJIM FISSION
発売日 : 2025年 6月10日
価格 : 129.99ドル
ドライバー構成 : 1DD
3種類の交換可能ノズル&4段階フィルターで12通りのサウンドカスタマイズを実現しています。
・最新世代のドライバーを搭載
上位モデルで採用されている『第5世代DMTダイナミックドライバー』を新たに搭載。

・DSPケーブル標準装備
3.5mm/4.4mm/DSP-S プラグ交換可能なケーブルが付属しています。

ORIGINで搭載された『第5世代DMTダイナミックドライバー』の技術を継承しつつ、
4Uの外観デザインと、4段階アナログフィルター機構を融合させたカジュアルさを求めた完成系の様な製品です。
パッケージ・本体/付属品

パッケージはTANCHJIMならではのシンプルなデザインです。箱サイズもコンパクトに収まっています。
箱を開けると本体のお披露目。今回のFISSIONでは3種類のノズルフィルターが付属しています。
本体

4Uの本体形状を生かしたエントリーモデルBunnyに続いて、今回は中でも上位モデルとして誕生しました。洗練されたアルミニウムボディとフェースプレートのアクセント。
サンドブラスト加工されたアルマイト加工のアルミニウムボディは耐久性に優れ、質感のある仕上がりです。サファイアガラス製FPは、オールメタル構造と洗練されたスタイリッシュなコントラストを生み出します。

Bunnyでは搭載されていませんでしたが、FISSIONでは4Uで搭載された「4方向の回路フィルター」が再び採用されています。
FISSIONの音響方程式
1. 4方向の回路フィルター

同梱の工具を使用し機構を回す事で、 低音レスポンスを調整し、4つのの異なるシグネチャを体験するシステムです。

4方向それぞれにコンセプトがあり、↑ポップス→デフォルト ↓モニタリング ← ナチュラル (L)となっています。
2. 3種のノズル音響フィルター

3種類のノズルと組み合わせることで、FISSIONの多様性を高めます。それぞれの音色の特徴は、使用感にて解説します。
3種類の交換可能ノズル&4段階フィルターで、合計12通りのサウンドカスタマイズを実現しています。
3. 専用アプリでのカスタマイズEQ
DSP-Sプラグ使用時、TANCHJIM専用アプリにて自由度に高いパラメトリックEQのカスタマイズが可能です。公式プリセットチューニングには、原神・崩壊スターレイル等のゲーム音響も含まれます。他のユーザーとお気に入りのチューニングをオンライン上で共有する事も可能です。


装着感
コンパクトかつ軽量な本体設計によって、長時間の装着も問題ありません。 また、深い挿入深度と最適化されたノズル角度で、耳道内での音響カップリングを向上しています。
実際の音の変化について
まずは回路フィルターの変化について。

低音を増減する回路フィルターの特性ですが、 基本的に一番強いデフォルトの場合でも必要程度の低音です。バランスとしては(中・小・小・極小)と言った感覚。
なので低音の強いアタック感や、深い沈み込みを期待する方には向かないでしょう。
デフォルト以外では、低域控えめで中高音の透明感が特徴的なサウンドです。個人的に音色の追求を謳うなら、もう少し調整に改良が必要に感じますね。ただ中高音の透明感とバランスの良いサウンドを求めている方には向いていると思います。
続いて音響ノズルに関して。

黄銅ノズルでは、音の輪郭がより柔らかく豊かなサウンドに変化します。低域の深さも通常(ステンレス)より増して、メリハリは弱まるのでほんのりウォーム傾向になる印象です。
そして3つめのチタンノズルでは、中高域の量感が増して、響きや鋭さが強調されて聞こえます。
傾向の変化はしっかりと感じられる為、楽曲の特徴や好みの傾向によって選別出来ると思います。
音質
私の個体は、付属ケーブルの極性が片側逆になっている不良があった為、リケーブルして使用しました。確認した限り通常の個体では問題ないかと。

アプリ : Apple Music
再生機器 : Astell&Kern KANN MAX ローゲイン
ケーブル : SoundsGood Stibnite 4.4mm バランス
イヤーピース : DIVINUS Prism Wide Bore
ノズル : ステンレス
フィルター : デフォルト
▫️音の傾向

基本的には各帯域バランスの取れたニュートラルなサウンドです。ORIGINのような究極のリアルさはありませんが、TANCHJIMらしい中高域の美しいサウンドに仕上がっていると思います。

低域 |↓ーーーーーー| 高域
寒色 |ーーーlーーー| 暖色
狭い |ーーーーlーー| 広い
繊細 |ーlーーーーー| 迫力
ドライ |ーーーーlーー| ウェット

デフォルトの低域は、バランス良く不足感のない量感で鳴らしてくれます。 若干柔らかいウォームなタイトさも感じられます。一番低音の多いフィルター設定であっても、重低音や迫力のあるアタック感を楽しむとは異なるチューニングな点には注意が必要です。
それに対して中音域・ボーカルは素直な音色で全体的に近め、そして中高音の抜け感良くTANCHJIMらしい上に伸びやかな女性ボーカルの美しさも味わう事ができます。
高域は音の線は細めで、刺激の少ない優しい美音を奏でます。定位良く空気感を持って上に抜け感良く伝わってくるので、繊細ながらも十分な存在感があります。鮮烈な印象は無いものの、聴き心地の良い美音を味わう事ができます。
音場は上左右に広めです。抜けの良く中高域の奥行き・空気感が特徴です。
高音 |ーーーーlーー| [8.5]
中音 |ーーーーlーー| [8.5]
低音 |ーーーーlーー| [8.3]
解像度 |ーーーーlーー| [8.6]
定位 |ーーーーーlー| [8.8]
分離 情報量 |ーーーーlーー| [8.5]
詳細 |ーーーlーーー| [8]
個人的総合スコア 8.9
オススメ度 ★★★★☆ 3.5/5
まとめ

今回は TANCHJIM FISSIONのレビュー紹介を行いました。
バランスの良いチューニングと中高音の抜けの良さにはTANCHJIMらしさを味わえますし、ノズルの変化やEQ調整、回路フィルターによる音の変化など出来る事が多く、有線イヤホンを悩んでる方にも方にもオススメしたい製品でした。
個人的にはフィルター変更の部分に改善の余地を感じましたが、十分に楽しめると思います。
同ブランドで音質を比較すると
個人的には ORIGIN >> FISSION > 4Uと言った印象で、価格差を考えると妥当ではありますが音質面ではもう一歩求めたいと思う部分がありました。音の傾向が一貫している為、TANCHJIMの音を最大限堪能したいマニアの方には、少し物足りなく感じるかもしれません。
気になった方は是非ご検討下さい。
最後までご覧いただき有難うございました。
